miniLEDテストスループット向上により次世代ディスプレイ実現

FitTech、研究開発部門長、Yu-Min Hung

 

ユーザ事例ハイライト

 

  • FitTechは、物理的なスペースとテスト時間を大幅に削減し、市場のほとんどのSMUを上回るチャンネル数にまで拡張しました。
  • NIのPXI SMUは、定常状態の応答時間、電圧ブースト、確度、安定性、反復性、再現性、応答性、分解能の向上に役立ちました。
  • FitTechは、チャンネルあたりのコストと統合時間を減らしながら、より高品質のテストデータを実現しました。

「ウエハ上の十万miniLEDについて、NIPXIベースチャンネルSMUシステムFitTech光学テクノロジにより、現在市販いるほとんどソリューションより小さいフォームファクタで、非常確度再現高い測定実現しました。」

―Yu-Min Hung、研究開発部門長

課題

LEDチップの小型化に伴い、ウエハあたりのチップ数は数百万、数千万にまで増加します。デバイス数の増加は大量のテストを非常に困難なものにします。現行のLEDテストソリューションを使用する場合、コストやテスト時間は数時間から数日にまで及びます。FitTechでは、miniLEDのテストにおいて、テストの安定性と確度を確保しながら効率を高める必要がありました。

ソリューション

FitTechはNIのPXIソースメジャーユニット (SMU) を採用し、社内開発のプローブシステム、光学測定システム、電気測定システムを組み合わせることで、安定性、効率性に優れた高品質のテスト結果を確保しながら、同時に8個のLEDでスループットを4倍向上させました。

​従来テストソリションでは対応限界

miniLEDおよびmicroLEDは、次世代ディスプレイの中核となる発光テクノロジです。LEDチップの小型化に伴い、ウエハあたりのチップ数は数千から数百万、数千万にまで増加します。デバイス数の増加は大量のテストを非常に困難なものにします。現行のLEDテストソリューションを使用する場合、各ウエハのテスト時間は数時間から数日にまで及びます。こうしたボトルネックは時間を消費し、製造コストを増大させます。テストの安定性と確度を確保しながらテスト効率を大幅に向上させることが、miniLEDテストソリューションを開発するうえで主要な課題となっています。 

 

 

 

柔軟性あるテストシステムメリット活用

FitTechでは、テストを高速化し、1つのソリューションで2つのシステムを提供することで、こうしたスループットの課題の解決に取り組んでいます。そのソリューションとは、各LEDウエハで光学的/電気的測定を行う統合型のLEDプローバとテスタです。一般的なLEDテストマシンは、一度に1~2個のチップをテストするように設計されています。しかし、miniLEDではLEDのサイズが数百マイクロメートルにまで縮小するため、ウエハあたりのチップ数が大幅に増加し、従来型のLEDでは数万個だったものがminiLEDでは数十万個にまで増えます。一度にテストするLEDの数が1~2個というスピードでは、ニーズに応えることは到底できません。こうした課題を解決するため、当社はminiLED用の並列テストソリューションを開発しました。FitTechはNIのPXIソースメジャーユニット (SMU) を採用し、社内開発のプローブシステム、光学測定システム、電気測定システムを組み合わせることで、安定性、効率性に優れた高品質のテスト結果を確保しながら、同時に8個のLEDでスループットを4倍向上させました。

NIのSMUは、各LEDに適切な電圧と電流のセットポイントを提供し、高確度の計測データを得る上で重要な役割を果たしています。NIのPXI SMUは、非常に高確度で再現性の高い測定を実現し、現在市販されているほとんどのSMUよりも小さいフォームファクタで4~8個のチャンネルを使用できます。また、LEDのさらなる小型化に備えて、数百個のチャンネルに対応するように拡張することができます。

 

革新NIソリューション導入もたらす数々メリット

電気テストにNI PXIベースのSMUを採用することにした理由は、物理的なスペースとテスト時間を節約でき、現在市販されているほとんどのSMUが同様のフットプリントで1~2個のチャンネルしか使用できないのと比べて、より多くのチャンネルに拡張できるからです。NI PXI SMUでは、1つのシャーシで4~8個のチャンネルを使用でき、テストマシンのサイズを増やさずに並列テストを行うことが可能です。

 


 

 

フットプリント以外にも、テストの高速化やテストデータの品質向上も実現しました。さらに従来のソリューションと比べて、定常状態の応答時間、電圧ブースト、確度、安定性、反復性、再現性、応答性、分解能が向上しました。高分解能のSMUのおかげで、より高確度なテストが可能になり、当社の顧客であるウエハメーカーにメリットをもたらしました。加えて、モジュール式のPXIベースアーキテクチャによって、チャンネルあたりのコストが削減され、統合時間が短縮されています。

 

市場では低速なGPIBやイーサネットインタフェースが一般的ですが、NI PXI SMUはそれよりも高速なPCI Expressインタフェースを採用しています。NI PXI SMUは高性能のデータ転送機能とキャプチャ機能を備えており、光学測定システムとの同期、またすべての電気テストチャンネルとの同期が改善されました。こうしたことはminiLEDの並列テストにとって非常に重要です。

 

当社はまた、NIのPXI SMUの内蔵ADCコンバータを利用することで、マルチチャンネルデータ収集の統合や高周波サンプリングの実行に要する時間を大幅に短縮しました。これらは、歪みを防止して測定確度を高めるためにも重要です。内蔵ADCに加えて、監視と記録にNIのI/O Traceツールを利用することで、テストプロセスの解析や統合時のトラブルシューティングがより簡単に行えるようになりました。 

 



 

概して、高安定性、高確度、高効率を実現する高品質の小型チップ向けテストシステムを開発することは、容易なことではありません。FitTechではminiLEDテストシステムでNI PXI SMUを採用することで、柔軟性と高性能をもたらすだけでなく、システム統合の開発時間とコストも削減しています。

 

成果メリット

FitTechは、LEDのプローブとテストを組み合わせたソリューションを先駆的に開発し、17年以上にわたって提供しています。当社の顧客はサポートとテストのサービスを1つの会社で合理化できます。当社はNIと提携することで、より高速な並列テスト能力を提供できるようになりました。つまり、少ないテスト/プローブマシンで高いスループットを実現できます。並列テストはminiLEDテストソリューションを実現するうえで中核となるコンセプトです。プローブシステムについては、最適化を行い、動作の安定性、スピード、確度を向上させました。自社設計のロードセルエッジセンサにより、ニードルマークを減らしてその同一性を高めています。テストシステムについては、NI PXIソースメジャーユニットを採用することで、マシンの物理的な体積を増やさずに並列テストを実現することに成功しています。こうした最適化とNI SMUの採用によって、従来のソリューションと比較して電子テスト時間が30%短縮され、全体のテスト時間が10%短縮されました。

 

FitTechの役員と従業員

 

今後展望

LEDの小型化がさらに進むにつれて、面積が50ミクロン未満のmicroLEDの採用が増え、ウエハあたりのチップ数が大幅に増加すると予想されます。市場はまだ開拓されたばかりであり、数多くの製造手法やテスト手法が検討されていますが、NIとFitTechは、ウエハメーカーに最高の歩留まりをもたらすべく、高効率、高確度のmicroLEDテストに最適な計測器とテストシステムの提供に取り組んでいます。